こんにちは。ユーザーファースト推進室ディレクターの大黒です。
私が所属しているユーザーファースト推進室では、「クックパッドに訪れた全てのユーザーが、期待する以上の品質に常に触れている状態にする」というミッションを持っています。今回はその中の取り組みの一つである「気になる!報告」という仕組みをご紹介します。
「 気になる!報告」とは
スタッフが普段、何気なくクックパッドを使っている中で、気になったことを簡単に報告することができる仕組みです。休日や外出先などでは、気になったことを後で担当部署にフィードバックしようと思っていても、ついつい忘れてしまいます。そこでサイト内に「気になる!報告」のリンクを設置し、いつでもどこでも報告できるようにしています。
スタッフアカウント*1でログインすると、クックパッドのフッターエリアにスタッフにしか見えないリンクがあり、どのページにいてもすぐに報告をすることができます。
報告画面に遷移すると、閲覧していたページのURL、その時のUser agent が自動で入力されます。これはどいう環境でスタッフが「気になる!報告」を送ったのかが分かるため、不具合や表示崩れの場合に原因が特定しやすく、すぐに対応できるからです。
報告内容は全てユーザーファースト推進室に集約され、各担当部署へフィードバックされます。
この仕組みは、2012年11月にデザインの不具合報告を簡単にできる仕組みとして、主にデザインに携わっているスタッフが使っていました。2014年5月に報告内容の範囲を拡大し、ユーザーにとって使い勝手が悪い、混乱しそう、不適切な表現では?と思ったことをスタッフ全員が報告できるように変更しました。今ではサービス開発に携わっていないスタッフもこの仕組みを使い、ユーザー体験の向上に寄与することが可能となっています。
事例
ここで「気になる!報告」によってユーザー体験が改善された事例とともに、運用方法をご紹介します。
スタッフからの報告
スタッフから報告があると、ユーザーファースト推進室に「気になる!報告」の内容がメールで送付されます。送付された内容は全て、Googleスプレットシートに自動的に保存され、そこでステータスの管理などを行います。
スタッフが気になった点
スマートフォンウェブの検索結果画面において、一部、スワイプの動きがスムーズではない箇所がありました。実際に確認してみたところ、動きにひっかかりがあり、もたつくような感じがありました。
担当部署へのフィードバック
報告の内容を確認し、対応が必要な場合と内容を検討する必要がある場合は、担当部署へフィードバックを行います。フィードバックでは特別なツールは使わずに、誰でも使うことができるメールでやりとりをしています。
担当部署からどのように対応するかの明確な返答がきたら、その内容を報告者に伝えるため、BCC.に報告者を追加し、担当部署にお礼のメールを送信します。報告者に対応内容を伝えることにより、ユーザー体験の向上に寄与できたことを意識付け、また「気になる!報告」をしてもらうためです。
みんな良いものを作ろうと思っている
フィードバックを行う際に気をつけている点が一つあります。それは「みんな良いものを作ろうと思っている」ということを強く意識することです。何も考えずにフィードバックしてしまうと、意図せず相手を傷つけてしまう場合があります。お互い気持ち良く仕事をするためにも、相手の気持ちを思いやることがとても大切です。
最後に
今回はスタッフが普段サービスを使っている際に、気になったことをいつでも簡単に報告できる仕組みについてご紹介しました。この仕組みの良いところは
- ユーザーに近い環境で発見した問題をいつでもどこでも報告することができる
- ユーザーからご意見がこないような小さな問題でも発見することができる
- 小さな問題をフィードバックすることにより、開発段階から品質に対する意識が高まる
- 普段サービス開発に携わっていないスタッフでも「気になる!報告」をすることによってサービス開発への理解が深まる
だと思います。まだまだ運用方法などは改善できると思うので、これからも試行錯誤しながら品質の向上に取り組んでいきたいと思います。
*1入社すると付与されるスタッフ権限がついたアカウント