Quantcast
Channel: クックパッド開発者ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 726

部署横断な施策の考え方

$
0
0

検索・編成部の日高(@kaa)です。

クックパッドでは事業部制の組織になっており広告事業部、会員事業部など分かれることで 目標を明確にしそれぞれの数字に集中、スピードを上げる体制になっておりますが、私の 動き方としては各事業部の取り組みにくい部分、アプリ全体としての改善といった部署横断 的な仕事になっております。

そのため、通期での目標もありますが基本的には施策ごとに目標を定めて実行していきます。 特定の目標に対してどう取り組むかという動き方と違い、なにが必要になりそうか考えてそれを どのような結果を目指してやるかを考える必要があります。

何に対して、どう取り組むかも自由に考えると、やるべきに見えることはいくらでもあります。 (結果は出さないといけません) ある機能の使い勝手をよくするだったり、ある数字に貢献するだったり、環境を整えたり 事例を作ることで他部署が動きやすくするだったり。 また会社として大きな数字に対しては各事業部が取り組んでいるので、それぞれの施策について 関係者に相談しながら決定することが多くあります。

施策の基本思想

ベターはやらない、ベストに集中する

経営の話としてもよく耳にする言葉ではないでしょうか。

では、ベストな施策とはなんでしょう。 単純に考えるといくつかの案のなかで一番効果のありそうなもの、となりますが。。

それはあくまでもいくつかの案の中のベストと思われるもの、でしかありません。 しかし比較検討ではそれをやるべきか、違う施策を考えるべきか判断に迷います。

そんな中で、これを満たせないものはベストと呼べるはずがない、という自分なりの指標があります。

ベストなアイデアが満たすべき最低条件

以前広告業界にいた頃、いい企画とはなにかということをよく話していたのですが、 ひとつの絶対条件として納得できるものがありました。それは

「みんなをハッピーにできるかどうか」

広告は見る人を不幸にしてはいけないという基本思想から発展しています。みんなとは関わる人全て。

見る人が不幸なものはそもそも駄目だし、広告主が出稿する価値がなければだめだし、 作る人が不幸でも継続的に続けられません。

自社サービスでも共通する部分があり、ユーザーが不幸だとそもそも価値がないし、 他部署に悪影響がでて不幸でも困ります。継続的に仕事していくためにはみんな幸せな状態が理想です。

みんなの幸せを考える

人がなにを幸せに感じるかは人それぞれです。

広告であれば広告主の考える広告の目的を見誤るとまず次の仕事はありません。 販促なのか、ブランディングなのか、また別の何かなのか。

自社サービスでの施策でいうと、社内のだれかが不幸になる施策はベストではないということになります。 不幸な人がいる施策はどんなにある効果があっても継続性に問題を抱えてしまいます。

まず、その齟齬をなくすためには関係しそうな人の幸せを把握しておく必要があります。

みんなの幸せを把握する

事業部制だとわりとシンプルで、基本的には部署の目標の数字への影響です。 また影響は±0だと思われても時期によっては変動リスクにしかならないのであまり幸せなことではありません。 それなら別の、直接の目標ではないがポジティブな要素のほうがましと言えます。

クックパッドでは人事評価システムで各々の目標がある程度見られたりするので、事前に把握しておくようにしています。 また定期的にどの部署がどんな施策をやろうとしているか情報共有されます。 もちろん資料だけでわからないこともありますので、部署によりますがクックパッドではホワイトボードに付箋などを貼る手法を採用していることが多いので週1,2回、各部署の共有ボードを巡回もしています。

幸い現在のオフィスは1フロアですので、1回30分もあれば十分可能です。

関わる人の幸せを把握して考えるのは、やろうとする施策の可能性に関わりますし、微調整の予想もできます。 ダメな場合に次の提案の用意しやすさも変わりますし、相手の巻き込みやすさも変わります。

施策を詰める

関係部署がある場合はその施策でどのような影響がでるかを調整していく必要があります。 調整というと面倒なことに思えますが、「みんなを幸せにする」というスタンスに立つと調整タスクにはいいことしかありません。

もしそのアイデアが関係者にとって問題がありボツになるとしても、それはその相手を幸せにできないから、といえます。 取り組み方を見直すとしても、一番その施策に影響があり関わっている人の意見を取り込めます。

もし相談の結果効果が小さくなるようなことしかできなさそうであれば、アプローチを変えるかやめて違うことをやればいいのです。 効果が小さそうであれば、周りの時間を使っただけなのでそもそもダメなんですが。

そう考えると他部署との調整タスクはダメな企画がボツになるか、企画が磨かれるかの2択といえます。 つまり、いいことしかありません。

幸せを実感する・共有する

幸せとはなにか?実感するものです。実感できて初めて存在できます。

また幸せには様々な種類があります。 新しい幸せは言われないと気付かなかった幸せかもしれません。 その事業部にとって直接目標にしている数値ではないが、ポジティブな要素の数値だったり。 数値以外にもこれまで行っていないアプローチの施策の事例だったり。

常になんかしら相手にプラスの要素を与えることを意識しておかないと、ただ相手に時間を取らせただけになりますし、もしかしたらただの変動リスクになります。

まとめ

今回は、事業部制の企業での部署横断チームとしての施策の考え方について説明しました。 組織体制にはそれぞれ得手不得手があり、状況によるためなにが最適ということはありません。

事業部制のスピード感、目標への集中力を活かしつつ、こぼれやすい課題や時間がかかりがちな 新しいアプローチの検証・取り組みなどをフォローしていきたいと思います。

採用情報


Viewing all articles
Browse latest Browse all 726

Trending Articles