こんにちは、買物情報事業部の三浦です。
私たちのチームでは1つのプロダクトの開発が佳境を迎えています。 私は普段エンジニアとしてチームに所属していますが、今回はプロダクトオーナーとして開発に携わっています。そこで単に実装者としてだけでなく、初期のコンセプト立てやユーザーインタビューなどのプロセスを経て学べたことをご紹介します。
価値を見つけるところからスタート
普段のチームでの開発はディレクターが開発を伴わない価値検証を行った上で仕様を考えます。それを基に立てられたissueをエンジニアは引き継いで実装を進めています。issueに記載された施策の背景やユーザーストーリーから、ユーザーの利用シーンをイメージして開発します。
今回はその価値となるものを探す作業からディレクターと共に行いました。まずはユーザーインタビューを実施し、計10名以上の方からお話を聞きました。
課題をよりリアルに感じた
インタビューの質問の1つに「平日の1日の過ごし方を教えてください」というものがありました。 ある1人のユーザーさんは共働き世帯でお子さんがいる女性の方でした。その方の1日の予定は本当にタイトでした。育児、家事に仕事。そして、その中で食品の買い出しをこなしたり息つく暇がありませんでした。
もちろん自分たちのコアなユーザーさんたちが忙しい毎日を過ごしていることは認識しているつもりでいました。しかし、目の前のユーザーさんから聞くリアルな生活とタイムスケジュールは、自分の想像を超えた忙しい毎日を過ごしていることに本当に驚きました。それと同時に、この目の前にいるユーザーさんに自分たちのプロダクトによって、ほんの少しだけでも”便利だな” と実感してもらえるようなものを作りたい!と。その人が抱えている課題を自分事としてより身近に感じることができたのです。
ペルソナによってできた軸
ユーザーインタビュー後にプロダクトにおけるペルソナを作りました。
今回はインタビューを行ったユーザーさんの中に、サービスとしてコアに価値提供したい像のど真ん中の方がいたこともあり、その方をベースにペルソナを作りました。チーム内でも納得のペルソナです。
自分でも直接話しを聞き、目にしたユーザーさんをベースにペルソナが作られていたこともあり、いつでもそのペルソナを中心に考えることが当たり前になっている自分に少し驚きました。
チーム内で議論が生じた時にも、共有されたペルソナを軸に、常にそのペルソナが何を求めているのかを中心として議論が進みました。
開発作業に入ってしまうと、つい実装のことや構造のことなどプロダクト自体に考えがいきがちです。書いている仕様やコードの先にペルソナを思い浮かべることができると、本来あるべき姿が自ずと見えてきました。
ストーリーベースでの視野を持ち得た
ユーザーインタビューのデータを基にペルソナを固めた上で、下記のような時間軸に沿ったストーリーボードを作成しました。
1日のユーザーの行動の中でどんなインタラクションがあるのかを視覚化しています。 そのプロダクトがいつ、どこで、どのくらい、なにを目的として利用されるかを俯瞰して見ることができます。
これを作っていて感じたのは、1日の中で使ってもらえるタイミングなんて本当に数回しかないんだという焦りと共に、ユーザーとの1回1回の接点を本当に全力で臨みたいと思いました。
また、エンジニアとしては開発をしていると、画面単位や機能単位での実装になるため、そこにフォーカスした狭い視野になりがちです。それがストーリーベースで捉えた視点を持つことからスタートしたことにより、単一画面だとしてもその画面がどんな場面で、どのように利用されるか、常に全体で把握するように自然と矯正されていることに気づかされました。 これは仕様面でディレクターやデザイナーと意見に相違が生じた場面でも、俯瞰した視野から意見を交わすことができ、比較的スムーズなコミュニケーションを行うことができました。
まとめ
今回は、私が0ベースのサービス開発の中で、エンジニア視点で得られたことをまとめてみました。 0からの開発に入ることは不慣れなことも多く、チームのメンバーには常に助けてもらってきました。 ただエンジニアだからこそ感じることができたこと、貢献できたことがありました。
少し領域を広げて、プロダクトを別の視点から見ることで、日々の開発に役立つものも多くありました。よりユーザーに価値を提供したいと考えるエンジニアの方は、ぜひ直接ユーザーに触れ視野を広げてみてください。