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サービスイメージをより魅力的に見せる写真撮影

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国内事業開発部のデザイナー、木村です。私が現在携わっている「おうちレッスン」*というサービス上で利用する写真を撮影するために、久しぶりにプロのカメラマンさんとお仕事をする機会がありました。

今回は、外部のカメラマンさんとサービスのイメージ写真を撮影する際に参考になりそうなことをブログに残そうと思います。

ヒアリング

まず写真撮影の目的を定めます。どういった目的で、ユーザーにどんな印象を与えたいか、ゴールはなにか、といった項目を洗い出し、オーナーと話し合いました。

今回は「ランディングページやサービス上で、サービスの魅力をユーザーに伝えたい」「楽しさや親しみやすさが増幅されるようなイメージ」「気取らない、日常の延長線上で」といった要望が上がりました。

イメージを固める

ヒアリングが終わったら、次はサービスのイメージを固めます。

以下は私がチームに参加した際に、競合・類似サービスなどをまとめ、ポジショニングしたデザインのマトリクス図です。

f:id:mura24:20171201152034p:plain

また、撮影する写真のイメージをキーワードとして書き出し、イメージに齟齬はないかも合わせて確認しました。

f:id:mura24:20171201152041p:plain

これらのすり合わせの作業をどこまで深掘りするかは、プロジェクトへの携わり方で調整するとよいでしょう(今回はサービス全体設計からの参加だったので結構がっちりやっています)。

トンマナのすり合わせ

並行して、写真のトンマナのサンプルをPinterestのシークレットボードを利用して収集しました。方向性をオーナーに確認してもらい、問題なさそうであれば、具体的なカットのラフ作業へ進みます。

f:id:mura24:20171201152044p:plain

絵コンテの作成

サービスのイメージを踏まえながら、ユーザーストーリーに沿って、デザイン上必要なカットを割り出し、絵コンテに起こしていきます。

f:id:mura24:20171201174301p:plain

テキストを交えながら、オーナーやカメラマンに、おうちレッスンのリラックスした和やかな雰囲気が伝わるよう気を配りました。

なお、イラストが不得手、イメージ通りのサンプル写真が用意できない場合などは、既存のストックフォトをコラージュしたり、自分やメンバーを素材としてスマホで撮影してコンテを用意するのもよいでしょう。

方法はなんでもよいので、なるべくコストをかけず、頭の中のイメージをスピーディーにメンバーに共有できる方法を選ぶことが重要です。

実際に写真をデザインに当て込んだデザインカンプなどがあれば、より完成形をイメージしやすくなるので、準備しておくとよいでしょう。

カメラマンとの打ち合わせ

写真のイメージ・必要カットが確定したらカメラマンと打ち合わせをします。

サービスの概要説明、写真のイメージ、絵コンテなどを元に、スケジュール、撮影場所や衣装、必要な機材などの相談と確認を行いました。

画角について

今回は、一部、9:16(スマートフォン縦サイズ)での利用を検討しておりましたが、コンテでその場合の指定が不十分であったことが判明しました。

複数の画角で撮影を予定している場合は、予めリストアップし、そのフレームに応じてコンテを切るようにしましょう。

撮影場所・衣装・小物について

今回は実際のユーザーさんのお宅にお邪魔して撮影することになっていたので、当日の間取りの確認、ユーザーさんの衣装(服装や髪形のかぶりがないか、サービスのイメージに沿った服装の依頼など)、当日のメニューの確認などを行いました。

撮影

撮影日当日は、プロダクトオーナー・カメラマン・デザイナーの3名でユーザーさんのお宅に伺い、撮影に協力してくださるユーザーさんに、絵コンテを見せながら撮影のイメージを伝え、撮影に望みました。

撮影立会時に、今回は私が撮影の進行管理・写真の確認などを担当しました。

進行管理では、撮影順の調整、カットの抜け漏れがないかのチェック、時間帯や天候により撮影状況が変わってしまった際の判断(カット数の増減、ほかのシチュエーションへの変更)なども行います。今回の撮影では、天候に恵まれ滞りなく進行できました。

カットごとに撮影時間を確保する

今回はユーザーさんが実際にお料理する流れに沿って、リラックスした自然な様子を撮影したいと考え、撮影に望みました。

ですが、被写体が複数人の場合、状況をコントロールしないと、誰かが目をつぶってしまっている、画面に対し立ち位置が左右一方に寄りすぎてしまうということが発生しがちです。

サービスの利用シーンを撮影する場合は、手順ごとに手を止めて、撮影時間を確保してから進行させたほうが結果的にスムーズに撮影が進みました。

写真確認

撮影終了後、追ってカメラマンから確認用のデータが送られてくるので、その中から納品用のカットを指定します。

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私は昔から利用しているAdobe Bridgeを使用して、写真選別を行っております。Finderでも似たようなことは可能ですが、ビューワー機能のあるツールを利用し、効率よく写真を選別してゆくのがオススメです。

納品

納品してもらう写真が決まったら、納品形式(ファイル形式、カラープロファイル、画像サイズなど)を指定して、撮影データを受け取ります。

進行・撮影ともに、カメラマン、そして参加してくださったユーザーさんにかなり助けていただだいたおかげで、めちゃんこエモい写真に仕上がったので、一部公開します。

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Photo by 福田 栄美子

おわりに

目的を定め、最小限のコストでチーム内で合意を取りながらユーザーに届ける…というプロセスは、写真撮影でもサービス開発でも、そう違いはありません。

自社サービス以外にも、採用募集やイベント用の写真などで、デザイナーに写真撮影の相談が入ることも多いと思います。みなさまの参考になれば幸いです。


*…「おうちレッスン」は現在クローズドテスト中のCtoC料理教室プラットフォームです。


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