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2014年でもっとも効果の大きかったプレミアムサービス訴求施策の話

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自己紹介

会員事業部*1森田です。昨年はプレミアムサービス(以下PS)*2の訴求改善を担当しました。その中で抜きん出て効果の高かった施策を紹介します。具体的な効果の数値を書くことは出来ないものの、この施策一つで前期に私がおこなった他の施策効果の合計を上回ります。

施策内容

紹介する施策は検索結果に関係するものです。今までは検索結果の下に控えめに表示していた人気順検索*3以外のPSコンテンツの訴求を検索結果の間に追加しました。

  • 殿堂入りレシピ*4 (人気順検索以外のPSコンテンツ)の訴求 f:id:idwtstwof:20150216133201j:plain

予期せぬ効果

実はこの施策は会員事業部によるものではなく、別部署による検索ページへの大きなデザイン変更施策*5の一部として行われました。そのため検索結果の間でPSコンテンツを紹介することも私が考えたわけではなく、効果についてさほど深く考えていませんでした。当時私が気にしていた事は今までも存在していた人気順検索の訴求効果の変化です。訴求枠の位置を下げた事と殿堂入りレシピをはじめとした他のPSコンテンツの訴求が増える事で人気順検索の訴求が低下する事を心配しました。

  • 人気順検索の訴求 f:id:idwtstwof:20150216133448j:plain

しかし結果をみれば人気順検索の訴求効果はわずかに改善し、殿堂入りレシピの訴求効果は人気順検索の訴求の半分程度の効果がありました。表示位置を考えると非常に高いものです。

教訓

手法の教訓 - 複数コンテンツの紹介

これまでは新着順検索の利用者には人気順検索のみを強く訴求していました。たしかに人気順検索はクックパッドのPSで一番の人気コンテンツです。そのため紹介枠が排他的であれば人気順検索を訴求したほうが良い結果になります。しかし今回のように利用者の目的に合致するコンテンツを複数提示できる場合はそのまま複数提示したほうが良いかもしれません。*6

なおこの結果を踏まえ、排他的にしかコンテンツを訴求できない場合も、利用者が複数回目にするような場所では表示割合を考慮しながら複数のコンテンツを切り替えて表示する事を試しています。利用者の心に響かなかったコンテンツの訴求を繰り返すよりは別のコンテンツを訴求しようという考えです。これは外部の広告では意識せずに行っている話にもかかわらず自社コンテンツの訴求となると行えていませんでした。少ないデータを見る限りは良い手応えを感じているため今後も検証を続けていきたいとおもいます。

姿勢の教訓 - 手札を整理して利用者の行動と照らし合わせる

この施策を行うまで私は人気順検索の訴求改善に殆どの時間を費やしていました。クックパッドでは「人気順」のキーワードは強力です。新しいコンテンツを作った場合も人気順検索の訴求枠を簡単に利用する事はできません。その結果ほかのコンテンツを紹介する事をあきらめつつありました。しかし今回の施策により利用者の行動にあわせて適切に提示することで大きな成果を出せることを知りました。初心に返り、自分たちの持つ手札と利用者の目的を考えたうえで適切なPSの価値を提示したいと思います。

さいごに

ここまでの記事を同僚に読んでいただいたところ「ちなみにこの話の中で一番大事だと思うことは何ですか」と聞かれました。そういう話であれば、私としては今回の改善を事前に気づくことが出来なかった事こそ一番に考える必要のある事だと思います。つまりは課題を解決する材料は一通り有る状態で肝心の問題と結びつけるにはどうすれば良いかです。しかし門外漢なうえ多くの経験があるわけでも、ましてや答えがあるわけでもありません。一般的な手法としてマインドマップやブレストなど様々なものが既にありますので、今回はそういった事を考えるための一事例として記事を書かせていただきました。

とはいえ個人的な経験を振り返るならば同僚との雑談*7が問題解決のきっかけになることは非常に多いです*8。過去、私は豊富なRoR*9の知識を持つ方たちとRoRのバージョンを上げる仕事をしました。そういう方達も時にはちょっとした事で詰まります。しかし他のメンバーと気軽に話をすることで大体は解決策を得ることができました。解けてみれば「なんだそんなことか」という場合も少なくありません。さらに遡れば今回の施策の効果測定で使用した「Chanko*10」も、こういう物が欲しいよね。必要だよね。という雑談によるものだったと思います。そしてまた現在検討している新しい施策も雑談なしでは辿りつけませんでした。

今回の件をみても同僚達の頭のなかにアイデアの種はあったのですから、多く雑談をしていればよりはやく行動する事ができたかもしれません。そして今現在も材料はすべて揃っているにも関わらず問題と結び付けられていない事はたくさんあるはずです。そこに気づくためにも今以上に積極的に雑談することで触発しあっていきたいです。

*1:私の所属する部署です。クックパッド会員になっていただくために努力しています。

*2:月額税抜き280円で提供しているサービス。

*3:クックパッドのレシピを人気順で検索出来ます。PSの人気コンテンツ。

*4:レシピを作ったレポートをレシピ投稿者に送る「つくれぽ」を1000人以上から得たレシピ。PSのコンテンツ。

*5:レシピ写真が大きくなり、検索結果から直接マイフォルダへ登録出来るようになりました。

*6:とはいえ訴求もつまりは広告なので利用者の体験を著しく低下させないように気をつけたいと思います。

*7:会話ではなく雑談としたのはアイデアをだそう!と構えた場合よりも気軽な会話のほうがきっかけになることが経験的に多いからです。

*8:他には本を読むこともきっかけになることが多いです。2014年度の施策のいくつかも本の内容がきっかけでした。

*9:Ruby on Rails。

*10:限定したユーザに機能を公開するためのクックパッド製のRoR拡張 https://github.com/cookpad/chanko


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